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漬物売りの少女 2

じゃあこの通りを売ってこい
1時間後の 車で拾うから、、と パンチくんは 去って行った。

丸友食品と書かれたはっぴを着て、
右手に樽6個入りの袋をさげ、左手に 味見用の樽を持ち さあ出陣。

一時間後車に戻り 樽を補いまた出陣 。 違う通りへ置かれる。これを何度も繰り返し 夜の7時過ぎまで続く。

ラスト回が終わると  運転手でリーダー的存在の、 これまたパンチパーマの小太りなメガネさん が
桜田ちゃん いくつ売ったあ? と聞く。

17個です。

初日にして少女は他の先輩パンチくん達より 多く売ったのであった。

20個売ると 一個から500円入ってくる それに 基本給2000円プラスで トータル12000円となる そして 少女はその次の回から 意地でも20個売り歩く  ハイパー漬物売りとなったのであった。

大きなトラックが置いてある会社とか タクシー会社、不動産屋、なんでもかんでも入っていった 
田舎者は 怖いものしらずだ。

大きな声で こんにちは 丸友食品です〜〜と 中まで入っていき 人なつっこい笑顔でどんどん売った。

多く売る人は 多く売れそうな通りに置かれる。 大きな通りの向こう側を任される少し年上の大柄な女性がいた この人は いつも23〜4個売る トップセールスだ。

この人は ぼーっと入って行って、 味を見てください って言って、そのまま 突っ立っているから なぜか相手が買ってしまう、、といった恐るべし、、、なセールス方法だった。

ただものではない 風貌のこの女性に 少女は聞いた。「どうしてこのバイトやってるんですか?」
「 ああ スカイダイビングやってるんだよね 、、空から飛び降りるのにお金かかるんだあ、、」
少女は 負けた。と思った。

この少女も おなじ質問を受けた。
売りに入った不動産会社の ヤグザくさいおじさんだ。

「おまえ なんでこんなことやってるんだ?」
「 歌を習ってるんです」 
「じゃあ 歌ってみろ、、、」
、、、、、、、
「歌います !!!」
 習いたてのジャズの定番 枯葉 が 大声で鳴り響いた。
「歌われちゃ 買うしかねえなあ 全部置いてけ。」と 気前よく 6個全部お買い上げいただいた少女であった。

漬物屋の社長も 「見かけによらず なかなかやるじゃねえか」 と 少女を見直し、パンチの運転者は 「桜田ちゃん ちょっとお金かしてくんないかなあ、、、」と言うまでになった とさ。

by kiki-gospel-voice | 2015-04-08 22:58
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